見た目は美少女だが、実は男の子だったという“オトコの娘(こ)”が最近、マンガやゲームに登場するようになった。大手出版社の雑誌にも男の娘をテーマにしたマンガが連載されるようになる中、一迅社が季刊マンガ雑誌「わぁい!」を創刊し、24日に発売される。背景や狙いを「わぁい!」を企画した土方敏良編集長に聞いた。
土方編集長は、“オトコの娘”の定義について「おおまかにはありますが、明確な定義はないんです。2次元に限定する人もいれば、現実の3次元に広げる人もいて、まちまち」と明かす。一見、新しいジャンルのように思えるが、マンガでは長い間、取り上げられてきたジャンルの一つで、80年代前半に週刊少年ジャンプに連載された江口寿史さんの「ストップ!!ひばりくん!」はその代表格だ。
それが一ジャンルとして認知されたのは、07年ごろに発売されたPCゲームだ。少年エージェントが女装をして女子高に入り、ヒロインを守る……という設定のゲーム「恋する乙女と守護の楯」などが話題となった。ヒロインらよりも可愛く描かれるキャラクターは、「まりあほりっく」や「バカとテストと召喚獣」などテレビアニメ化された作品も登場、定着していく。
土方編集長は、化粧の方法など女装のための初心者ハウツー本「オンナノコになりたい!」をヒットさせた実績を持つ。同書は、4回も企画がボツになりながら、初版の5000部は即完売。最終的に8倍の約4万部を売り上げ、アマゾンランキング最高8位になった。土方編集長自身も中学生時代に「女の子たちの着ている服が可愛い」と思い、自身で女の子の服を着てみたものの、想像と全く違った自分の姿に“絶望”した経験があるという。「実は、化粧などで女の子の姿に近づくテクニックがあるのですが、親や姉妹、彼女には聞けない。同じような思いを持つ人は確実にいるはずで、需要はあると思ったんです」と話す。
「わぁい!」は、そんな土方編集長念願の企画で、“オトコの娘”が話題になり始めたのを見て、09年夏に企画書をまとめた。打診した作家の全員から快諾を得て、昨年末のコミックマーケットで「わぁい!」の創刊を発表。出版社やゲーム会社の関係者から「本気か?」と驚きのメールが20通も寄せられたという。
どうして“オトコの娘”なのか。土方編集長は「男性が女性になる場合、本当の女性よりもらしくないと女性にならないんです。それを追求した結果、男性が理想とする女性ができる。リアルな女性が持つ魅力を超えてしまうのが、“オトコの娘”なんですよ」と明かす。新雑誌については「初めての試みなので、考えながら作っている。いろいろな意見、感想を聞き、常に進化させて、新雑誌が、“オトコの娘”の好きな人、ちょっと興味があるかな……と思う人に1人でも多く届けたい」と意気込んでいる。前代未聞の雑誌の今後に注目だ。(毎日新聞デジタル)












