「幸福の黄色いハンカチ」特別試写会に登場した武田鉄矢さん(左)と山田洋次監督

 高倉健さん主演で77年に公開された名作「幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ」(山田洋次監督)がデジタルリマスターされ、33年ぶりに10日から公開されるのを前に7日、東京都内で特別試写会が開かれた。山田監督は会見で、「感無量ですね。まさか30年後にまたやるとは思ってもみなかった」としみじみ。映画初出演だった武田鉄矢さんも「僕の場合ここから全部始まったわけですから。僕にとってはこれでようやく食えるようになった。そういう意味でも『幸せのハンカチ』でしたね」と感慨深げに話した。

 「幸福の黄色いハンカチ」は、女性にふられ、やけになった欽也(武田さん)が、新車であこがれの北海道ドライブに旅立つ、そこで一人旅の朱美(桃井かおりさん)をナンパし、さらに刑務所から出所したばかりの中年男・勇作(高倉健)と知り合い、3人は道連れとなる。勇作は出所直後に妻(倍賞千恵子さん)へ「自分を待っていてくれるなら、家の前に黄色いハンカチを掲げておいてくれ」と手紙を書いたことを打ち明ける……という人情味あふれるロードムービー。勇作の事件を担当した刑事役で、渥美清さんも出演している。日本アカデミー賞をはじめ同年の映画賞を総なめにした。

 リマスター版は10日から「東劇」(東京都中央区)で公開されるほか、全国で順次公開予定。また、米国でリメークした「イエロー・ハンカチーフ」(ウダヤン・プラサット監督)も6月26日からロードショー公開予定で、この日の試写会で2人はトークショーも実施。公の場で2人が同席するのも約33年ぶりという。

 武田さんは「監督に言われたことはほとんど全部覚えてますし、宿に帰ってから、『監督がおればっかりいじめる』と健さんに話したら、『伸びないやつは、しごかねーよ』って言われて……。泣きながら帰りましたよ」と思い出に浸っていた。同じ出演者での映画製作はある?との質問に山田監督が「健さんがやるっていえば、僕は喜んでやりますよ!」と宣言すると、武田さんは「もう何でもやりますよ! そうなったら」と大喜びだった。(毎日新聞デジタル)